大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(れ)1310 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人の上告趣意第一点について。

しかし、原判決は「被告人Aは商工事務官として名古屋商工局商工部機械課に勤

務し農機具係として商工省指定工場の指導監督の任に当つていたものであつて、昭

和二三年三月上旬頃その指導監督下にあつた商工省指定工場のB製莚機製造会社営

業主任C及び製莚機製造業者D郎より……」と判示していることは判文上明らかな

ところであつて、この認定は原判決挙示の証拠に照して肯認するに足り、その間反

経験則等の違法は存しない。されば名古屋商工局の事務官たる被告人は商工省直轄

指定工場たる判示会社等の指導監督を管掌事務としていないもので、職務上便宜を

与えうる立場にいないと前提する論旨は、原判示にそわない事実を独断して、事実

審たる原裁判所が適法になした事実の認定を非難するに帰し、上告適法の理由とな

らぬ。

同第二、三点について。

しかし、仮りに所論のように司法警察官も検察官も被告人の横領罪と収賄罪とに

ついて同時に取調をしたとしても、その故に検察官は右二罪を同時に起訴しなけれ

ばならないものでもないし、かかる別個の犯罪が各別に起訴された場合にも、裁判

所は警察官や検察官が同時に取調べたものであるとの理由でこれを併合審理しなけ

ればならぬものとはいえないから、たとい、所論のように各別に審理判決されたた

めに被告人に不利益の結果を生ずることがありうるとしても、それだからといつて、

第一審判決従つて又原判決を違法ということはできない。されば論旨いずれも上告

適法の理由とならぬ。

同第四点について。

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論旨は原判決の適法になした量刑を不当と主張するにとどまるから、上告適法の

理由とならぬ。

よつて旧刑訴四四六条に従い裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

検察官 安平政吉関与

昭和二六年四月五日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 眞 野 毅

裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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